第380遠征作戦群のトップを務めるポール・バーチ大佐は「常に進展がある」と語る。ISISに関する地上の情報から、同部隊が戦況に決定的な影響を与えていることがうかがえるという。
ただ、イラクやシリア上空に敷かれたこうした監視体制にもかかわらず、ISISは依然として強力で捉えがたい。ISISの最大拠点であるイラク北部モスルの奪還作戦では、同市に迫るイラク軍やクルド人部隊に対し頑強な抵抗が続く。
これは、U2の乗員にとってはさらなる任務が待ち受けていることを意味する。
離陸の約10時間後、取材班は地上に戻ったスティーブン大尉に再び接触した。U2を着陸させるのは非常に難しい。降着装置は自転車の車輪のような配列になっている。機体が滑走路から外れないようにするためには高度な技術が要求される。
U2から降りてきたスティーブン大尉は狭いコックピットから出られたことを喜ぶとともに、地上部隊を支援できたことに満足した様子だった。「整備士らのおかげで我々は常に上空に滞在し、情報を最も必要とする人々に支援を届けることができている」と話した。
有志連合がISIS掃討に向けた圧力と攻撃を強化する中、U2による作戦飛行が必要とされる状況は当面続きそうだ。