米国からカナダへ、難民が決死の越境 トランプ政権を不安視
長い道のりをたどり、高い金を支払い、恐怖と闘った越境の旅。だがそのかいはあったと、5人は口をそろえる。ソマリアでのアフメドさんはイスラム過激派「シャバブ」から殺害予告を受けていた。ホサインさんは少数民族という理由で差別され、家族が脅されたり、殺されたりしたという。アフメドさんは幼い子どもたちを、ホサインさんは母を故郷に残してきた。
あのまま米国にとどまっていたら、送還されたに違いない。アフメドさんはそう振り返る。
エマーソンの町には先週末だけで、アフメドさんたちのような難民が25人もやって来た。地元当局者によると、この1カ月半では計69人に上っている。
町のあちこちに難民の姿を見かけるようになった。10人規模のグループや、乳児を抱えた家族連れもやって来る。電話を持たないグループが夜中の2時、3時に民家のドアをノックし始める。町の住民は、これまでかけたことのなかったドアの鍵をかけるようになった。
春になればさらに多くの難民が押し寄せてくるだろう。その全員について、しっかりとした身元調査ができるのか。住民の表情に不安がよぎる。