93歳のムガベ大統領、続投を宣言 ジンバブエ
(CNN) アフリカ南部ジンバブエのムガベ大統領は23日までに、来年予定される大統領選に出馬する意向を改めて表明した。同氏はアフリカ諸国の国家元首の中では最高齢の93歳。1980年の同国独立以降、実権を掌握し続けている。
ムガベ大統領は93歳の誕生日を迎えた21日、国営テレビZBC−TVの会見に応じ、「国民の大多数は私の代わりとなる後継者はいないと感じている」と主張。会見内容を伝えたロイター通信によると「国民は全ての人物評価を私を基準に判断したいのだろう」とも語った。
与党の「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZanuーPF)」を率いるムガベ氏は反対勢力に対する弾圧を続けるなどして権力を維持。08年の議会選挙後には野党の政敵との連立政権に合意したが、その後、詐欺疑惑に襲われたこの政敵を排除し、抵抗勢力を封じ込める政権運営を続けている。
ただ、同国経済の疲弊は続いており、施策に対する人権侵害の批判も根強い。米国はムガベ氏や同党幹部に対し渡航規制などの制裁も科しており、オバマ前米大統領は今年1月の退任前にこの措置を延長してもいた。
ムガベ氏は過去に黒人支持者の利益を最優先した土地没収など強引な施策を打ち出して経済悪化をもたらし、超インフレも招いて同国を破綻(はたん)の瀬戸際に追い込んだこともある。
ムガベ氏は今回の会見で、トランプ米大統領の孤立主義的な政策への支持を表明。「米国のための米国、米国民のための米国に同意する」とし、「ジンバブエ国民のためのジンバブエ」とも付け加え、トランプ氏が制裁を再考することへの期待も示した。