市民が見聞きするものはすべて、2400万人の市民(少なくとも、テレビを見たりラジオを聴いたりできる電力がある人々)に放送される前に、入念に検査され承認を受ける。
普通の人々はインターネットは使えない。国際電話もかけられない。国営メディアが彼らにとって、外の世界とつながった唯一の(そして非常に小さな)窓だ。
若いときから北朝鮮の人々は、彼らの生活は米国による侵略の絶え間ない脅威にさらされており、そのため政府が少ないリソースを核とミサイルの開発に振り分けることは理に適っていると言われている。
何十年にもわたり、この単純で効果的なプロパガンダのメッセージは、金一族の3代にわたる統治が軍事化と市民に対する強力な支配を行うことを正当化する手助けをしてきた。
金一族は、おそらく地球上のどの政権よりも上手に指示を守らせコントロールする方法を完成させた。残りの世界を締め出すことでそれを行っている。北朝鮮は徐々に開かれつつあるが、しかしそれはあくまで、彼らなりのやり方でしかない。
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北朝鮮での取材について
・政府当局者が常に取材班に同行した
・当局者はお目付役と呼ばれることを好まず、たいていはツアーのガイドのように行動した。しかしながら、彼らは、取材班が北朝鮮国内にいる間、取材班が何を取材しどのように行動するかについて絶対の責任を負っていた
・当局者が取材の動画や原稿を事前に見ることはなかった。しかし、彼らは撮影中、常に取材班に同行した。彼らは、取材班が訪れた場所の撮影許可を保証するためにさまざまな措置を取らなければならないこともしばしばあった
・取材班は平壌で最も人出の多い地区の一部でかなりの時間を費やした。こうした場所は以前は常に撮影が許されない場所だった。取材班はインタビューするため街中で無作為に取材相手を選ぶことができた