安保理、シリア制裁決議案を否決 ロシアと中国が拒否権行使
ニューヨーク(CNN) 国連安全保障理事会は2月28日、シリア政府の化学兵器使用に対する制裁決議案の採決を行いこれを否決した。ロシアと中国が拒否権を行使した。
シリア関連の決議案に対し、ロシアが同盟国のシリアを守るために拒否権を行使したのは過去5年間でこれが7度目。国際団体による調査では、過去に3度にわたって市民に対して化学兵器が使用されたと結論付けていた。
採決では9カ国が賛成、ロシアと中国を含む3カ国が反対、3カ国は棄権した。
フランスの国連大使は採決に先立つ演説で「罪のない女性や子どもに対する化学兵器の使用を非難できない者がいるだろうか」と述べ、安保理に行動を促していた。
米国でトランプ政権が誕生し、新しい国連大使にニッキ・ヘイリー氏が就任して以来、安保理でロシアが拒否権を行使するのは初めて。
ヘイリー大使はロシアと中国の拒否権行使について「言語道断であり弁解の余地はない」と批判。「安保理の場で、加盟国が他の加盟国による自国民の殺害について弁解するという悲しい日になった。世界は確実に、一層危険な場になった。国際社会の目の前で、安保理がその状況に加担している」と指摘した。