南沙の中国人工島、軍事施設は完成間近 レーダーや格納庫も
(CNN) 中国が南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島に造成している人工島で、航空機の格納庫や高性能レーダーなど数十の施設が運用間近の状態にあることが29日までに分かった。米シンクタンクが新たに公開した衛星写真で明らかになった。
衛星写真は戦略国際問題研究所(CSIS)傘下のアジア海洋透明性イニシアチブ(AMTI)が公開したもので、3月上旬に撮影された。人工島の中で特に規模が大きいファイアリー・クロス礁、ミスチーフ礁、スビ礁で防衛施設がほぼ完成した様子が捉えられている。
それぞれの人工島には軍用機24機を収容できる新設格納庫のほか、爆撃機や監視機を収容可能な大型格納庫も設置されている。
複数の専門家はCNNに対し、南シナ海における中国の軍事的優位は新施設により一層確固としたものになるだろうとの見方を示した。中国による一帯での防空識別圏(ADIZ)設定につながる可能性もあるという。
中国外務省の華春瑩報道官は28日、リポートの詳細は把握していないとしながらも、スプラトリー諸島は中国の領土だとの認識を改めて表明。「軍事施設を配備するにせよしないにせよ我々の主権の範囲内であり、国際法で認められた我が国の自衛と自己保全の権利だ」と述べた。
中国は南シナ海の大部分について自国の領土だとしているが、フィリピンやベトナムなど多数の東南アジア諸国も領有権を主張している。