新疆ウイグル自治区でひげやベール禁止、過激思想対策
(CNN) 中国北西部の新疆ウイグル自治区当局でひげや公共の場所での顔などを覆うベールの着用、自治区が定める教育内容を子どもに学習させないことなどを禁じる新たな法律が4月1日から発効した。宗教的な過激思想のまん延を阻止するとの理由を挙げている。
自治区内に居住するイスラム教徒は約1000万人とされる。当局は旅券の没収や全地球測位システム(GPS)の車両搭載を義務付けるなどの監視対策も既に実施している。
今回の新たな法律は自治区当局系のメディアが伝えた。禁止項目の詳細は伝えていないが、中国の国営英字紙チャイナ・デーリーは長いひげは「過激思想を助長する」結果になるとの判断から禁止されたと報じた。
他の禁止事項には、家族計画の実行に対する意図的な干渉や妨害、ラジオやテレビ番組を含む自治区の公共サービスなどの拒絶も含まれる。
新疆ウイグル自治区では近年、当局が宗教的な過激思想に触発されたテロリストによる犯罪と見なす事件が起き、住民ら数百人が死亡する事態ともなっている。自治区外でもイスラム教徒の少数派ウイグル族が絡む攻撃が複数回起きた。これら衝突の背景要因として、当局によるウイグル族に対する厳しい抑圧政策や移住が進む漢族の間の反目などが指摘されている。