子ども抱いて走るカメラマン、爆発現場で必死の救助 シリア
この様子を撮影したのが、別のカメラマンのムハンマド・アラゲブさんだった。
アラゲブさんは負傷者を何人か助けてから、撮影を始めたという。「責任をはっきりさせるため、全てを記録しておきたいと思った」というアラゲブさん。「救命を助ける若いジャーナリストがいたことを誇りに思う」と言い添えた。
ハバクさんによると、助けた少年は6~7歳に見えたという。救急車に乗せることはできたものの、一命を取りとめたかどうかは分かっていない。
すぐ爆発現場に引き返したハバクさんは、地面に倒れている別の子どもに駆け寄ったが、この子も既に死亡していた。爆発で犠牲になった子ども68人のうちの1人だった。
絶望感に駆られて地面に膝をつき、少年の遺体を前にすすり泣くハバクさん。その姿を、別のカメラマンがとらえている。
「私と同僚が目撃した光景は、言葉では表現できない」。ハバクさんはそう振り返った。