ロンドン出身のシリア大統領夫人の国籍剥奪要求 英議員
ロンドン(CNN) 英国の複数の国会議員は22日までに、シリアのアサド大統領夫人で英国生まれのアスマ・アサドさん(41)の英国籍の剥奪(はくだつ)を内務省に要求した。
ロンドン生まれのアスマ夫人はソーシャルメディアを使い、大統領率いる残忍な政治体制を擁護するメッセージを載せているなどの理由を示した。同夫人は英国とシリアの国籍を保持している。
国籍剥奪を要求したのは与党・保守党所属のナディム・ザハウィ議員ら。同議員はイラクの首都バグダッド出身で、両親は少数派クルド人。年少時に英国に移住し、現在は国会の外交問題委員会の一員となっている。
ザハウィ議員はCNNの取材に、シリア内で最近発生した政権軍による一般市民への毒性ガス攻撃に言及。「アスマ夫人の夫は明らかに一線を越えた」「彼女は残忍な体制の宣伝役」などと主張した。米軍はこの事態を受けシリア政府軍の空軍基地への巡航ミサイル攻撃に踏み切っていた。
アスマ夫人はインスタグラムやフェイスブックなどに自らのアカウントを持ち、夫と一緒にいる画像などを掲載。「我々は大統領を愛する」とのハッシュタグも使っている。最近は、子どもを抱擁し、アレッポ市の高齢な住民と握手を交わす写真も載せ、夫の政治体制を称賛する言葉も添えていた。
英内務省の報道担当者はCNNの取材に、個別の事例に立ち入ることはしないとしながらも、「内相は公共の利益に資する場合、個人の国籍を取り上げることが出来る」との立場を示した。