仏大統領選 マクロン氏が勝利、「分断との闘い」を表明
パリ(CNN) フランス大統領選は7日に決選投票が実施され、親欧州連合(EU)派の中道系独立候補、エマニュエル・マクロン前経済相(39)が右翼・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏を破って当選を決めた。
仏内務省が7日夜に発表したところによると、投票率98.12%の時点でマクロン氏の得票率は65.5%と、ルペン氏の34.5%を大幅に上回った。
第1回投票で既存の2大政党を拒否した有権者は、反EUを掲げたルペン氏にも「ノン」を突きつけ、選挙経験のない独立候補のマクロン氏を選んだ。
マクロン氏は陣営本部からの演説で「我が国の分断が有権者を過激主義への投票に駆り立てた」「多くの皆さんが示した怒りや不安、疑念に耳を傾けるのは私の責任だ」と述べて、「分断との闘い」を表明。「我々の歴史は今夜、新たなページがめくられた。それが希望のページであることを願っている」と語った。
また同日夜には、パリのルーブル美術館前で数千人の支持者らを前に演説。EUの歌に指定されているベートーベンの「歓喜の歌」とともに登場し、国民の和解を改めて呼び掛けた。ルペン氏に言及して聴衆からブーイングが出るとこれを制し、「過激主義に票を入れる理由は全くないと確信できるよう全力を尽くす」と強調した。
ルペン氏は出口調査の結果を受けて敗北を認め、支持者らの前で「仏国民は新たな大統領を選んだ」と宣言。マクロン氏に祝意を伝えたことを報告した。
オランド大統領もマクロン氏に電話をかけ、勝利を「温かく」祝ったことを明らかにした。
欧州委員会のユンケル委員長、EUのトゥスク大統領や、メイ英首相、メルケル独首相も相次いでマクロン氏の勝利を祝う声明を出した。