マクロン氏が勝利、政治の素人から大統領へ 仏大統領選
パリ(CNN) 7日に行われた仏大統領選の決選投票では、中道系独立候補、エマニュエル・マクロン前経済相(39)が右翼・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏を破り勝利した。
39歳での当選により、1958年以来の「第5共和制」の下では最年少の大統領が誕生することになった。
投資銀行に勤めた経験を持つマクロン氏だが、既存の政党からの支援を受けずに大統領選に出馬したため、他の候補者からは経験不足との指摘も受けた。
当初はフランス政界からあざけりの対象ともなったが、最後に笑ったのはマクロン氏だった。
マクロン氏はプライベートな部分でも人を引き付ける魅力を持っている。
マクロン氏は17歳の時、当時の学校の教師に対し、いつかあなたと結婚すると伝えた。マクロン氏は2007年にその約束を守り、24歳年上のブリジット・トロニュー氏と結婚する。2015年以降、2人のメディアへの露出は以前よりも増し、雑誌にも登場した。
マクロン氏はフランス北部アミアンで生まれ、当地の学校でトロニュー氏と出会う。その後、エリート養成で知られる国立行政学院に進学した。
銀行業界で成功をへて、2012年にオランド大統領のスタッフに選ばれた。2年後には経済相に就任した。在任時は業界寄りの姿勢やリベラルな改革路線により人気を落とし、昨年8月に経済相の職を辞した。
マクロン氏は公約で、福祉や年金の制度改革をうたっている。そのほかにも、テロとの戦いを掲げており、防衛費の増額や警察要員の1万人の増強、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対応するための特別組織の設立などを提案している。
マクロン氏は親EUを掲げており、フランスをEUの中心に戻し、ユーロ圏の維持を約束している。
マクロン氏は、米国のトランプ大統領との建設的な対話を模索しているほか、シリア情勢などの政治的解決へ向けて、ロシアやイラン、トルコ、サウジアラビアと協働することに前向きな姿勢を示している。