マクロン氏とメルケル氏が会談、EU強化に向け方針共有
(CNN) フランスのマクロン大統領は15日、就任後初の外遊先としてドイツを訪問し、首都ベルリンでメルケル首相と会談した。会見では欧州連合(EU)にとっての両国関係の重要性に触れ、統合強化に向けた道筋を共に描いていく方針を強調した。
共同記者会見に臨んだマクロン大統領は「両国がEUとユーロ圏のための指針を共有し、ともに取り組んでいけることをうれしく思う」「両国はこれまで以上の信頼関係を築き、これまで以上の具体的な成果を出さなくてはならない」と述べた。
メルケル首相も、EUの健全化のために独仏両国はお互いを必要としていると指摘。欧州の政治状況や移民政策、通商関係といったテーマについてマクロン氏と会談したと明らかにした。
仏誌パリス・マッチの副編集長を務めるレジス・ルソミエール氏は、CNNの取材でマクロン氏について「大統領選で公言した通り、ベルリンを訪問したのは賢い選択だ」とした上で「マクロン氏ほどEU寄りの候補はあまりいなかった。EUでのドイツのリーダーシップは危機的状況にある。共通通貨のユーロもそうだ。英国のEU離脱が決まって以降は特に、あらゆるものが崩壊しかかっている」と語った。
2019年に英国がEUから離脱すれば、EU加盟国で核兵器を保有し、国連安全保障理事会の常任理事国を務める国はフランスのみとなる。
メルケル首相との会談の数時間前、マクロン大統領はフランスの新首相に46歳のルアーブル市長、エドワール・フィリップ氏を指名した。
専門家は、中道右派の共和党に属するフィリップ氏の指名を通じて、来月に控える議会選挙で右派の有権者にアピールする狙いがあるとみている。