リゾート施設に強盗、利用客ら30人負傷 マニラ
(CNN) フィリピンの警察によれば、首都マニラにある複合施設内のカジノに2日未明、銃で武装した強盗が入り、テロ攻撃を怖れた利用客がパニック状態で逃げ出すという事件が起きた。容疑者は現場で死亡した。
CNNフィリピンが警察の話として伝えたところでは、事件が起きたのは複合施設「リゾート・ワールド・マニラ」内のカジノ。容疑者は複数の遊戯用テーブルに火を放ち、スロットマシンやビデオ画面に向けて発砲した。ただし人に向けて発砲はしなかった模様だ。
容疑者の男は部屋を物色し、計1億1300万ペソ(約2億6000万円)相当のギャンブル用のチップを盗んだという。当初の報道では駆けつけた警察に射殺されたとしたが、警察は部屋の中で焼身自殺したと説明した。チップは警察が回収した。
「判断するのは時期尚早だが、われわれの関与した限りでは過激派組織『イラク・シリア・イスラム国(ISIS)』はいなかった。もしISISなら、中でギャンブルをしていた全員が撃たれるか、爆発に巻き込まれていたはずだ。容疑者は誰も傷つけなかった。けが人は、窓から飛び出す時に傷を負った」と国家警察のデラローサ長官は述べた。
施設のスティーブン・ライリー最高執行責任者(COO)はけが人は約30人で、多くは建物から逃げ出すときにぶつかったためだという。死者は出ていない。
事件現場にいた従業員によれば、覆面をして銃を持った男が建物の2階で発砲を始めると、利用客や従業員数百人がいっせいに建物から外へと逃げ出したという。
関係者によれば、現場から近いニノイ・アキノ国際空港では、事件を受けてすべてのターミナルが一時閉鎖された。
リゾート・ワールド・マニラは、ショッピングセンター、カジノ、ホテル、レストラン、一般住居などを擁する大型施設だ。