韓国、THAADの配備を中断 本格運用は来年以降か
ソウル(CNN) 韓国の新政権は、米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の配備を中断した。当局者が7日、CNNに明らかにした。同システムの配備を巡っては、韓国と中国の外交関係が悪化し、北朝鮮も反発を強めていた。
当局者によると、既に運用を開始しているTHAADの発射台2基は撤去しない方針だが、残る4基の発射台については、「本格的な環境影響評価が完了するまで」配備を見送る。
THAADは年内に本格的な運用が開始される予定だったが、環境影響評価によってこの予定がずれ込み、もし配備を続けることになったとしても、運用開始は2018年以降になる見通し。
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、選挙運動の中でTHAADの配備中止を公約に掲げ、今後の方針については国会で審議して決めると表明していた。
THAADの配備については朴槿恵(パククネ)前政権と米政府が合意を交わし、文大統領が選出される1週間前に部分運用開始が発表されていた。
これに対して中国は、中国軍に対する偵察や核抑止システムに利用される恐れがあるとして強く反発。韓国の経済や、中国に滞在する韓国人の生活にまで影響が及んでいた。
THAADは目標に向けて発射された短距離および中距離弾道ミサイルを迎撃する。高度なレーダーも搭載され、太平洋に展開するイージス艦などの米ミサイル防衛システムや、日本に配備されたパトリオットミサイルなどとも連携する。