米学生ワームビアさん、検視解剖見送り 遺族の要請で
(CNN) 北朝鮮から解放されて意識不明の状態で帰国し、その後死亡した米国人学生、オットー・ワームビアさんの検視解剖が、遺族の要請により見送られたことが21日までに分かった。ワームビアさんの死因を調べているオハイオ州のハミルトン郡検視事務所が明らかにした。
ワームビアさんの遺体は死亡した19日中に同事務所へ移された。検視チームはこれまでに、北朝鮮からの搬送に当たった救急機や入院先の大学病院での診療記録を調べ、担当医らに詳しく話を聞いたが、死因の特定には至っていない。今後さらに記録や画像の検証、聞き取り調査などを進めるという。
ワームビアさんは帰国した時点で脳に重度の損傷が認められ、意識が戻らないまま死亡した。北朝鮮側はワームビアさんがボツリヌス症にかかり、睡眠剤を服用した後で昏睡(こんすい)状態に陥ったと説明している。
しかしワームビアさんを診察した医師団によると、ボツリヌス症感染を裏付ける所見は見つからなかった。担当医は先週、「このような脳の損傷は通常、脳への血流が一定時間滞る心肺停止によって引き起こされる」と述べていた。
ワームビアさんの葬儀は22日、オハイオ州の出身高校で執り行われる。