チェチェンに「同性愛者いない」 迫害の指摘受け首長が言明
(CNN) ロシア南部チェチェン共和国のカドイロフ首長は18日までに、米ケーブルテレビ局HBOとのインタビューで、チェチェンの男性同性愛者が迫害されているとの指摘に対し、「うちには同性愛者などいない」と主張した。
カドイロフ氏はさらに「もし同性愛者がいたら、カナダへ連れて行け」「我々の血を清めるために遠い場所へ連れ去ってくれ」などと語った。
CNNが入手した現地からの情報によると、チェチェンでは何百人もの男性の同性愛者が収監され、虐待を受けているとされる。だがチェチェン当局の報道官は今年4月、共和国内に同性愛者は存在しないと主張し、迫害は「全くのうそ」だと断言していた。
HBOによるインタビューのテーマは、カドイロフ氏が新たに設立する格闘技団体などに関する話だった。だが同性愛者をめぐる報道について質問されると、同氏は「作り話だ。かれらは悪魔だ」「人間とはいえない」と言い放った。
カドイロフ氏はチェチェン独立派をはじめ、あらゆる反体制分子を抑え込んできた強権的な政策で知られる。2009年には新聞社とのインタビューで「売春と麻薬、同性愛は現代の毒だ」と語っていた。
ロシアのペスコフ大統領報道官は、カドイロフ氏の新たな発言について「きつい表現」だと認める一方、同氏の発言は文脈から切り離されて批判を受けることが多いとの見方を示した。