戒厳令を年末まで延長、過激派掃討長引く フィリピン

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回収した銃器類を確認するドゥテルテ大統領

回収した銃器類を確認するドゥテルテ大統領

(CNN) 南部ミンダナオ島でイスラム過激派の掃討作戦が続くフィリピンの議会は22日、同島を対象に今年5月に発令されていた戒厳令を今年12月31日まで延長するドゥテルテ大統領の提案を賛成多数で承認した。

大統領は、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に忠誠を誓う過激派「マウテグループ」の壊滅には戒厳令の5カ月間の延長が必要と主張していた。戒厳令は5月23日に出されたもので今月22日が期限だった。憲法では戒厳令の布告は60日間までとなっている。

マウテグループは戒厳令が敷かれる前、南部マラウィ市に侵攻、複数の政府省庁を押さえ、放火するなどした。同グループはイスラム過激派「アブ・サヤフ」の指導者が指揮するともされる。

マウテグループが立てこもり、政府軍が包囲するマラウィでの戦闘は2カ月以上続いている。フィリピン国軍の公式統計によると、これまでの交戦での死亡者数は7月20日の時点でマウテグループの戦闘員427人、政府軍兵士99人に一般住民が45人。

同市内外の住民約35万人が退避を強いられている。

フィリピン政府の推定数字によると、マラウィ市内に今なお潜伏するマウテグループの戦闘員は数十人規模。ただ、ドゥテルテ大統領は戒厳令延長を求める議会への書簡で、同グループの指導部は概ね温存されていると指摘していた。同大統領は20日、戦闘が始まって初めてマラウィ市に入り、政府軍兵士を慰労した。

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