カブール(CNN) アフガニスタンの反政府勢力タリバーンに対し、ロシア政府から武器が供給されている可能性があることが25日までに分かった。CNNがこのほど独占入手した2本の映像では、2つのタリバーン組織がそれぞれロシアからの武器を手に入れたと主張している。一方、ロシア側は、こうした指摘を否定している。
米軍司令官らは今年4月以降、ロシアからタリバーンへの武器の流れに懸念を示してきたが、裏付けとなるような現地の画像などは得られていなかった。
CNNが入手した一方の映像に登場するのは西部ヘラート近郊の分派組織。最近、敵対するタリバーン主流派組織に攻撃を仕掛け、メンバー18人を殺害、6人を拘束したという。
幹部はこの時に奪ったという銃などを掲げてみせ、主流派組織がロシアからイラン経由で与えられた武器だと説明。過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦うために供給される武器が、「我々に対しても使われている」と語った。
もう一方の映像は、首都カブール近郊で撮影された。覆面のタリバーンの戦闘員が、北部クンドゥズから無償で手に入れたというけん銃を披露している。ロシア製の銃がタジキスタン国境越しに供給されたという。
映像を見た専門家らによると、登場する武器自体にロシア政府との関連を示す特徴はみられない。ただ、製造元の表示があるべき場所にないことから、供給元の当局者らが故意に消した可能性も考えられる。
ロシアはこれまでタリバーンとの接触を認めつつ、和平交渉の推進が目的だと説明してきた。同国外務省は武器供給疑惑について、米国による対アフガン政策の失敗を隠すための作り話だと主張している。