仏大統領夫人の「ファーストレディー」待遇、反発受け撤回
(CNN) マクロン仏大統領が夫人に「ファーストレディー」としての正式な肩書や地位、予算を与えようとした動きは、市民の強い反発を受けて撤回されたとみられることが9日までにわかった。
仏大統領の配偶者は憲法で正式な地位を明示されていない。マクロン氏はこの現状を改めて、大統領夫人の役割を明確にすると表明したが、市民らが強く反発し、抗議運動には28万人以上の署名が集まった。
政府の報道担当者はこの問題について、一連のツイートを投稿。マクロン氏の妻ブリジットさんは大統領夫人としての「役割と責任」を果たしていると述べ、待遇の実態を包み隠さず公開するとしたうえで、「憲法は修正しない。夫人に新たな予算や、新たな給与が与えられることはない」と断言した。
大統領府は撤回について明言を避けているが、CNN系列局の取材に対し、ブリジットさんの待遇が明記された文書を数日中に公開する方針を示した。
マクロン氏は現在、国会議員が家族をスタッフとして雇うことを禁止する法案の成立を目指している。野党からは、夫人の待遇をめぐる動きとの矛盾を指摘する声が強まっていた。