カナダで亡命申請激増、米国から越境 ハイチ出身が8割

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米国との国境付近をパトロールするカナダの警察官

米国との国境付近をパトロールするカナダの警察官

(CNN) カナダ連邦警察は20日までに、米国からカナダに越境し亡命を希望する外国人の人数が前例のない激増ぶりを示していると報告した。

ケベック州では過去6週間で約7000人を拘束などした。同州ではここ数カ月間での急増が目立ち、6月の781人、7月の2996人が8月15日時点では3800人に膨らんだ。

連邦警察の報道担当者は、年間を通じ1日24時間、国境周辺で警戒しているが、現状のような亡命希望者の人数は過去になかったと報告。約80%から85%までがハイチ出身者とした。

ただ、昨年亡命を求めたハイチ出身者のうち認められたのは半分のみ。多くのハイチ出身者はカナダを目指す動機として、米国で得た暫定的な保護措置を失うことへの不安を漏らしたという。

米国のオバマ前政権は2010年、ハイチでの大地震発生を受け米国内に既に居住するハイチ系移民に就労可能で国外送還を免除するなどの待遇を付与。この待遇は毎年更新されていたが、米国土安全保障省は今年、ハイチ国内の状況改善を受け更新を来年1月に中止する可能性に言及していた。

カナダの地元テレビ局CBCによると、カナダにも米国と似たハイチ出身者向けの救済制度があったが昨年廃止されていた。適切な資格を保有しないハイチ出身者は国外送還されることを意味する。

カナダ政府の公式統計によると、同国が審査した亡命申請件数は今年7月時点で2万1695件。昨年通年の総数の約90%に当たる。

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