CNNの記者が、もし自分が米国人なら、撃ちたいかと尋ねると、間髪入れず、声をそろえて「撃ちたい」との答えが返ってきた。
ただ、そのあと、少年たちからは、もし、記者を撃つなら、記者が善人か悪人か知りたいとの質問が来た。
記者は、自分は善良な米国人だと約束した。少年らは、それならば、撃つことはないと述べた。
これが、北朝鮮におけるパラドックスだ。微笑みを浮かべ、親切で、礼儀正しい若者が、どれほど米国を憎んでいるのかを口にする。
多くの点で、北朝鮮の若者は、米国の子どもと似ている。ゲームやスポーツが好きだ。しかし、CNN記者が話したビーチバレーをしていた高校生の一部は、米国について尋ねると、ある種のフレーズやテーマを繰り返した。
彼らの繰り返したフレーズとは「不倶戴天の敵」や「敵国」といったものだった。彼らは本当にそう感じているのだろうか。彼らが米国について知っていることは何かあるのだろうか。
正直なところ、北朝鮮の子どもたちが知っているのは、北朝鮮政府がプロパガンダとして教え込んだ米国に対する激しい憎悪であり、金一族に対する忠誠だ。金一族の像や写真が、いたるところに存在する。金一族は国営メディアに頻繁に登場する。