北朝鮮の14歳未満の子どもたちは約500万人。彼らは、個人の業績ではなく、チームワークが全てに勝る集団主義的社会の一部だ。このチームワークは、学校の授業においても必要なもので、松濤園国際少年団の2週間にわたるキャンプに参加することにもつながる。このキャンプは、北朝鮮国内で最良のものだとみなされている。
キャンプの場に行ってCNN取材班が最初に目にしたものは、北朝鮮の今はなき2人の指導者である金日成(キムイルソン)国家主席と金正日(キムジョンイル)総書記を取り囲んだ幸せな子どもたちの像だ。
誕生日のパーティーが開催されるなか、CNN取材班は、子どもたちが北朝鮮の最高指導者をたたえる歌を歌うのを目にした。
誕生日を迎えた少年は、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を、「本当の両親の愛情をすべて返してくれる父親」と呼んだ。なぜ、金委員長が父親のようなものなのかと尋ねると、本当の両親ですら与えることのできない愛情を与えてくれるからだと答えた。
この少年は、敬愛する金委員長の愛情に応えるべくよりよく学ぶための子どもたちからなる団体の真のメンバーになることを宣言すると述べた。
これらの子どもたちが北朝鮮の未来だ。すべての世代は、最高指導者を崇拝するよう育てられる。
そこには、疑念はない。意見の相違もない。疑問もない。
命を懸けた忠誠があるだけだ。
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次回「秘密の国の中心へ――CNNが旅した北朝鮮<2> 海産物とミサイルの町」は10月21日公開