秘密の国の中心へ――CNNが旅した北朝鮮<4> 農業と偽ニュース

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(CNN) 黄海北道は平壌の南約64キロに位置する。田畑と農業の村だ。

前回「秘密の国の中心へ――CNNが旅した北朝鮮<3> DMZ、ロッドマン、ワームビア」はこちら

北朝鮮による兵器試験が近くで行われている元山や、緊張感にあふれる非武装地帯と比べると、この村には慎重に扱うべきようなものは何もない。

そうだとすると、ここにくる許可を得るのが、なぜこれほど難しいのだろうか。なぜ、政府のお目付け役は、CNNの取材班に対し、ここの人たちに取材をする際には気を付けるよう、ひっきりなしに言うのだろうか。

なぜなら、自国民を食べさせることに依然として苦労している国では、農業は扱いが難しい話題のひとつだからだ。

北朝鮮は山がちで、農地は非常に少ない。北朝鮮は過去20年間で最悪の水準の干ばつに見舞われており、事態はさらに悪化している。

多くの人々にとって、牛肉や鶏肉、豚肉は手の出ない高級品だ。いくつかの基本的な食物に頼って生き延びている。キムチや米、かゆだ。

CNN取材班が訪れたとき、畑はほとんど空っぽで、一握りの農業従事者が取材班への宣伝のために残っているかのようだった。取材班は、そのうちの1人である38歳の女性に話かけた。

彼女の硬く風雨にさらされた手のひらが、朝鮮の太陽の下での10年におよぶ厳しい仕事を目撃していた。人生には達観しているようだった。

「疲れない仕事なんてあるの。私が好きなことは、わたしたち農民にとって、土地をただ世話することだ」

北朝鮮を離れて行ってみたいところを一つ挙げてほしいと尋ねた。その答えは驚くべきものだった。なぜなら、これまでにそう答えた北朝鮮の人はいなかったからだ。

彼女は「米国に行きたい」と言った。そして、その目に涙があふれ始めた。

「どうして米国が朝鮮の人々にこれほど嫌がらせをするように見えるのか知りたい。どんな恨みが朝鮮と米国のあいだにあるのか。彼らは我が国に侵略し、朝鮮の人々を殺害した。なぜ、わたしたちが苦しんでいると思うのか。それは全て米国人のせいだ」

「わたしは本当に米国人をのろう。そして、彼らの土地を破壊したい」

CNN取材班の故郷を破壊したいと告げる、その言葉の敵意は、彼女の笑顔と友好的な顔つきとは裏腹だ。彼女は記者の手を強く握り、収穫を祝うために戻ってくるよう誘ってきた。

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