秘密の国の中心へ――CNNが旅した北朝鮮<4> 農業と偽ニュース
彼女は「わたしたちは、米国人がひどいとは思わない。私たちはただ米国政府を非難しているのだ」と述べた。
お目付け役に彼女の自宅を訪問できるかどうか尋ねてみた。別の機会ならもしかして、との答えだった。その代わり、CNN取材班は、慎重に選別された農民の自宅に連れていかれた。
この農家の男性とその妻はCNN取材班と一緒に昼食を食べた。自分たちの家の前提で取れたものから作ったもので、カモの卵や、みそ、米をニンニクやスパイスの効いたレタスで巻いて食べる。シンプルでヘルシーでおいしかった。自家製の強い蒸留酒で流し込んだ。
主人に、北朝鮮を襲った1990年代の飢饉について聞いてみた。当時、数十万人、あるいは数百万人が飢えで死亡したという。
主人は「わたしたちは食べ物を求めて山に登り、木の皮を食べた。どれくらい、こんなことを続けなければならないのか考えた」と述べた。
今は自分の畑で取れる作物があるので、そうした問題はないという。
「毎年生計を立てるだけの米や金がある。この家もあるが、無料で手に入れた」
昼食の後、主人は、小さな2階建ての家の中を案内してくれた。コンクリート製で、屋根はブリキ。手入れの行き届いた菜園と小さな井戸が前庭にあった。台所は小さく簡素で、部屋の調度品はわずかだった。
居間にはDVDプレーヤーとテレビがあり、料理やライフスタイルに関する番組や、音楽や映画を見るという。もちろん、西側のものは一切ない。