秘密の国の中心へ――CNNが旅した北朝鮮<6> 聖なる山
北朝鮮の人々にとって、これは信仰なのだろう。聖書やコーランやトーラーと同じように。白頭山を訪れるとき、彼らは巡礼の旅をする。
CNN取材班は山頂へと歩を進めた。山頂近く、この場所と金一族とをつなぐ、もう一つのシンボルを目にした。金正日氏の署名が山肌に刻まれていた。
強い風に吹き飛ばされそうになりながら、山頂へ向かった。しかし、山頂付近まで来ると、風が完全にやんだ。空気は清廉で、風はなく、人生でも最も息をのむ風景の一つを目にした。透き通った青い水をたたえたカルデラは、鋭く雪に煙った山々に囲まれている。
この国の人々にとって、この場所がこれほど深い感情的な共鳴を引き起こすのか分かったような気がした。
この山は、北朝鮮の人々の人生を象徴している。大きく険しい山と格闘し、美しい未来を期待する。
美しい未来――北朝鮮の人々が指導者たちに不滅の忠誠を誓い続けるならば。
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連載終わり