カタルーニャ巡る混乱続く、スペイン国王が異例の非難
バルセロナ(CNN) スペイン東部カタルーニャ自治州の独立を問う住民投票を巡って、同国のフェリペ国王は3日夕、異例のテレビ演説を行い、住民投票を組織した州政府が国家の安定を揺るがしたとして非難した。
1日に行われた住民投票では警察との衝突で900人近くが負傷。カタルーニャの州都バルセロナでは3日、約70万人が参加して、警察による強硬措置に抗議するデモが行われた。
フェリペ国王は演説の中でカタルーニャ州政府当局者に対し、「法制度で承認されたルールを体系的に覆し、カタルーニャの利益を代表する国家権力に対して容認できない不忠の態度を示した」と異例の強い調子で非難。900人近くが負傷した投票日の衝突には言及しないまま、「その無責任な態度がカタルーニャとスペインの経済や社会的安定を危険にさらしている」と述べ、国家の統一を呼びかけて演説を締めくくった。
一方、カタルーニャのプッチダモン州首相は3日夜、BBCの取材に対し、「今週末または来週初め」までに、一方的に独立を宣言すると言明した。同氏がこの言葉を実行に移した場合、スペインの危機的状況は一層深まる恐れもある。
フェリペ国王の演説に先立ち、バルセロナでは70万人が国家警察本部前などに集まり、投票を阻止しようとした国家権力による強硬措置に抗議した。商店は休業し、大学は講義を中断、公共交通機関は運行本数を減らしている。
ラホイ首相は首都マドリードで野党と会談。当局は投票を阻止する目的でカタルーニャに配備した国家治安部隊に対し、来週いっぱい同地で待機するよう指示した。