ノーベル物理学賞、米国の3氏が受賞 重力波の観測に貢献
(CNN) スウェーデン王立科学アカデミーは3日、今年のノーベル物理学賞を世界初の「重力波」の観測に貢献した米国の科学者3人に授与すると発表した。学界では宇宙の起源を探るうえで重要な功績とみられている。
受賞者は米マサチューセッツ工科大のレイナー・ワイス名誉教授、米カリフォルニア工科大のバリー・バリッシュ名誉教授、同大のキップ・ソーン名誉教授の3氏。
重力波とは、宇宙において最も激しく活発な部類の運動によって時間と空間に生じる「さざ波」を意味し、物理学者のアインシュタインが100年前に相対性理論の中でその存在を予言していたことで知られる。
3氏は重力波の観測を可能にする「レーザー干渉計重力波天文台(LIGO<ライゴ>)」の建設に「決定的な貢献をした」と評価された。
LIGOは2015年9月14日、世界で初めて重力波の観測に成功。この時の重力波は2つのブラックホールの衝突によって発生したもので、13億年かけて米国内のLIGOまで到達したとみられる。
ワイス氏とノーベル委員会によれば、LIGOの技術開発には過去40年間でおよそ1000人が携わった。
英グラスゴー大学重力研究所のシェイラ・ロワン所長は委員会による3氏の選出を歓迎。「重力波の存在が明らかになったことで、宇宙を理解する全く新しい道が開けた」と、その功績を称えた。