トルコ、米大使館幹部を呼び出し 相互のビザ発給停止巡り
(CNN) 米国とトルコが互いにビザ発給業務を停止したことを受けて外交的な対立が高まるなか、トルコ外務省が、在アンカラ米大使館のコスネット首席公使を呼び出したことが10日までに分かった。半国営アナトリア通信が伝えた。
アナトリア通信によると、外務省はコスネット氏に対し、ビザ発給停止措置を撤回するよう米国に期待していると伝える計画だったという。この措置は移民関連を除くすべてのビザ発給業務が対象となっている。
トルコ政府と米政府の今回の対立が始まったのは先週。在イスタンブール米総領事館の職員が逮捕されたことがきっかけだった。
これに対し米政府はビザ発給を停止し、トルコ政府も同様の対応を取った。今回の動きを受け、トルコ・米国間の渡航は一部の例外を除き無期限で実質停止される。
在アンカラ米大使館は8日、声明で「米政府は最近の一連の出来事を受け、米在外公館と職員の安全に対するトルコ政府の姿勢を再評価せざるを得なくなった」と言及。この数時間後、トルコ側もほぼ同様の声明を出した。
米国のバス駐トルコ大使は9日、今回の決定について「軽い決断ではなかった。大きな悲しみとともに下した決定だ」と説明。そのうえで、逮捕された現地職員の扱いをめぐり懸念を表明した。
この職員は、米ペンシルベニア州で亡命生活を送るトルコ人のイスラム指導者フェトフッラー・ギュレン師とつながりがあったとして訴追された。
トルコのエルドアン大統領は、昨年起きた軍事クーデター未遂を主導したとしてギュレン師を非難。一方、ギュレン師側はクーデターへの関与を否定している。