タイ前国王の葬儀始まる、市民が最後の別れ
タイ・バンコク(CNN) 昨年死去したタイのプミポン・アドゥンヤデート前国王(ラマ9世)の葬儀が首都バンコクで始まった。26日夜には遺体が荼毘(だび)に付される予定で、大勢の市民が最後の別れを告げるため、バンコクに集まっている。
プミポン前国王は昨年10月13日、88歳で死去した。在位期間は世界の君主の中で最長の70年に及び、国民の絶大な敬愛を集めていた。
葬儀は25日から5日間にわたって営まれ、遺体が王室の火葬施設に移される26日は最も多くの人出が見込まれる。前日から既に場所取りの行列ができ始め、18歳の双子の娘を連れてバンコクを訪れ、深夜から行列に並んだという女性は「一生に一度のことなので、どうしても来なければと思った」と話す。
葬儀には世界42カ国の要人が参列予定で、日本からは秋篠宮が参列する。
葬儀には30億バーツ(約100億円)の予算が拠出され、26日は休日となった。警察は警官23万人を動員して、集まった人たちに対応。バンコク市内ではオフィスのロビーから民家まで至る所に、マリーゴールドの花で彩ったプミポン前国王の肖像写真が掲げられている。
バンコク中心部では、3階建てで50メートルの高さがある王室の火葬施設が宮殿の隣に設置され、この日のために全土で500体以上の仏像が制作されてきた。
宮殿に安置されていた遺体は26日に火葬施設に運ばれる。儀式は現地時間の午後4時半から始まり、同日遅く、遺体が荼毘に付される。