カタルーニャ州首相、議会選実施計画を見送り
スペイン・バルセロナ(CNN) スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立問題で、中央政府が州自治権停止に向けた動きを進めるなか、プッチダモン州首相は26日、州都バルセロナで演説し、州議会選挙実施の計画を見送る考えを表明した。自治州を直接統治下に置く計画の推進を取りやめるとの保証を中央政府から確保できなかったためとみられる。
プッチダモン氏は、州議会を解散して新たに選挙を実施するという選択肢を検討したと言及。これは中央政府による同州の自治権停止を阻止するための瀬戸際の取り組みであったとみられる。
だがプッチダモン氏は、今回の演説の中でこの案を拒否。「私の義務と責任はすべての可能性を模索し、対話を通じた、合意に基づく解決策を見つけることにある」などと述べた。
州議会では同日夕に本会議が開催されたものの、討議は紛糾。今後の道筋を見いだすための議員らの取り組みは難航した。
リベラル派のシウダダノス(市民党)の党首はプッチダモン氏を批判。議会選実施に踏み切るには今からでも遅くはないとしたほか、カタルーニャの住民を分断しているとして同氏の責任を追及した。
また左翼政党ポデモスのカタルーニャ支部トップは、今は一方的な独立宣言を表明するのを諦めるべき時だと主張。「カタルーニャにこれ以上の殉教者は必要ない」と述べた。
中央政府は27日にスペイン上院での採決を予定している。議員らはこの中で、カタルーニャ州の自治権を停止し、中央政府の直接統治下に置くかどうか決定する見通しだ。