食料や医薬品がイエメン到着、数週間ぶりに人道支援再開
2015年から続くイエメンの内戦では、イランが支援するフーシと、サウジアラビアが支援する政府が対立。今月初め、サウジの首都リヤドの上空でイエメンからのミサイルが迎撃され、その直後に両国の国境が封鎖された。
国境の封鎖によってイエメンへの支援物資供給が断たれ、食糧や医薬品の不足が深刻化していた。
国際的な圧力を受けてサウジアラビアは13日、政府が掌握している港と空港については24時間以内に人道支援物資の受け入れを再開すると発表。2日後にはサウジ率いる有志連合が、イエメンの首都サヌアの空港と、要衝フダイダ港に対する封鎖を人道支援目的で翌日から解くと発表した。
ユニセフによると、イエメンではワクチンが残り少なくなり、予防可能な疾患のために10分に1人のペースで子どもが死亡している。緊急の人道支援を必要とする子どもは1100万人以上と推計される。
現代史上最悪規模のコレラの流行も発生。世界保健機関(WHO)によれば、今年4月下旬以来、イエメンでコレラの感染が疑われる患者は子どもを中心に90万人を超え、2000人あまりが死亡した。
WHOによると、2015年3月にイエメン内戦が始まって以来、今年9月中旬までの死者は8600人以上、負傷者は5万人近くに上る。国内の医療施設の半数以上は閉鎖され、市民の多くは医療から切り離されている。