米、船舶10隻の入港禁止を国連に要求 北朝鮮と取引の疑い
(CNN) 米国が国連安保理の北朝鮮制裁委員会に対し、北朝鮮と取引を行った疑いのある船舶10隻について、国連加盟国の港湾への入港を禁止するよう要請したことが21日までに分かった。イタリア国連使節団の報道担当者が明らかにした。イタリアは現在、北朝鮮制裁委員会の議長国を務めている。
これに先立ち国連は10月、北朝鮮関連の取引を行ったとされる船舶4隻に関し、加盟国の港湾への入港を禁じる措置を取っていた。この中には、北朝鮮製の携行式ロケット弾3万発を密輸しているところを拿捕(だほ)された船舶1隻も含まれていた。
専門家によれば、北朝鮮政府は長年、政権の収入確保に役立てる目的で、北朝鮮との関連を隠すような海上輸送方法を利用してきた。米国は北朝鮮との間で物資の輸出入を行う船舶を取り締まるため、さらなる措置を講じることを求めている。
国連安全保障理事会が今年採択した決議は、緊急事態など一部の例外的な場合を除き、「全加盟国は自国の港湾への制裁対象船舶の入港を禁止しなければならない」と定めている。
ただ、こうした措置を履行するかどうかは個々の国連加盟国次第で、専門家は履行状況が不透明な場合もあると指摘する。
海上運航の状況を監視するウェブサイトが公表した追跡データによると、17日には、国連の10月の措置で全加盟国の港湾入港が禁じられた4隻のうちの1隻が、中国東部の港湾付近に停泊していた。