金正男氏殺害の女、「日本のお笑い番組」のつもりだった マレーシア
(CNN) 北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏を殺害したとして起訴された女2人の公判が30日、マレーシアの裁判所で開かれた。証言に立った捜査員は女のうちの1人について、事件の数週間前にスカウトされ、日本のお笑い番組だと信じていたと語った。
捜査員によると、インドネシア人のシティ・アイシャ被告は2017年1月、400マレーシアリンギット(約1万円)の報酬を受け取って、日本のユーチューブの番組のためにいたずらをしかけるよう持ちかけられた。
アイシャ被告は同年2月13日、クアラルンプール国際空港で金氏の顔面に神経ガスのVXをなすりつけた罪に問われている。同被告本人も、テレビ番組の演出だと思ってやったと主張していた。
マレーシア当局は、シティ・アイシャ被告とベトナム国籍のドアン・ティ・フォン被告(29)について、北朝鮮に訓練された工作員だったと見ている。 これに対して両被告とも一貫して、男性の顔になすりつけたのはベビーオイルだったと思ったと訴えてきた。
捜査員の証言によると、シティ・アイシャ被告はタクシー運転手に声をかけられ、日本で放映されるユーチューブのお笑い番組への出演を持ちかけられた。その日のうちに、クアラルンプール市内のショッピングモールで、「あの日本人」と呼ばれる男と会った。
しかしこの男は、実は北朝鮮人だったとされる。この男を含む3人は同年3月に、北朝鮮へ強制送還された。
両被告は有罪になれば、死刑を言い渡される公算が大きい。次回公判は2月8日に開かれる。