デンマーク女王の夫ヘンリック殿下死去、妻の隣の埋葬を拒否
(CNN) デンマークのマルグレーテ女王(77)の夫、ヘンリック殿下が13日、ジーランド島にある公邸のフレデンスボー城で、女王や2人の息子に看取られて死去した。83歳だった。
生前、自身の称号に対する不満から「妻の隣には埋葬しないでほしい」と意思表示しており、王室の伝統に反してこの遺言が尊重される予定だという。
ヘンリック殿下は昨年9月に認知症と診断され、今年1月には肺の感染症のため入院していたが、自宅で最期を迎えるため、13日にフレデンスボー城へ戻っていた。
フランスのボルドー校外で1934年に生まれ、在ロンドンのフランス大使館に勤務していた65年、当時のマルグレーテ女王と出会って67年に結婚した。結婚に当たり、女王の配偶者を意味する「王配」の称号が与えられたが、「王」の称号が与えられなかったことに対して不満を募らせていた。
王室の広報担当者は昨年8月、デンマークの大衆紙BTに対し、「殿下はデンマーク王室の中で与えられた称号に対して長年の不満を募らせていた。この数年で、その不満はますます大きくなっていた」と語り、「殿下にとって、女王の隣に埋葬しないでほしいという意思は、自分の配偶者と対等に扱われてこなかったことに対する当然の結論だった」と話していた。
女王も夫の意思を受け入れているという。
マルグレーテ女王は、死後はロスキレ大聖堂に埋葬される予定だが、ヘンリック殿下の埋葬場所は明らかになっていない。
王室一家は喪に服すため、3月14日まで社交行事や娯楽行事への出席を控える。