存在感増すイスラム保守主義、戌年迎え摩擦も マレーシア
マレーシアからは毎年数千人の学生がサウジアラビアへ留学する。厳格で排他的なイスラム思想に感化され、持ち帰って来るケースも少なくない。
マレーシアのナジブ首相は昨年、強硬なイスラム思想で知られるインド出身の宣教師、ザキル・ナイク氏に永住権を与えて注目された。
ナジブ氏は2013年の総選挙で多民族の融和を掲げたものの、得票率で野党を下回る結果となった。それ以来、マレー系イスラム教徒の地盤固めに努め、イスラム寄りの政策を進めている。
同国では独立以来、長年にわたってマレー人を優遇する政策が取られてきた。これがマレー人の依存体質を生み、かえって宗教間、民族間の対立をあおっているとの批判もあるが、ナジブ氏は今年前半に予定される次期総選挙でもイスラム色を前面に打ち出していくとみられる。