シリアの15歳少年、自撮り動画で空爆の惨状を報道 東グータ地区
(CNN) 内戦が続くシリアで、反体制派の支配地域として政府軍の猛攻にさらされている首都ダマスカス近郊の東グータ地区。同地区に住む15歳の少年が、現地の惨状を自らの声で報告する動画をソーシャルメディアに公開している。シリアで現在起きていることを記録し、世界に伝えるのが目的だ。
政府軍に包囲された東グータ地区での犠牲者数は、7年に及ぶシリア内戦の中でも最悪の水準に達している。シリア人権監視団は20日、過去48時間の砲撃と空爆で子ども58人を含む250人以上が死亡したと明らかにした。
こうしたなか、同地区に住む15歳のムハンマド・ナジェム君は、爆撃を受けた街の動画を自撮りの映像も交えながらツイッターとユーチューブに公開。「アサド政権と(それを支援する)ロシアによる爆撃のために、グータの子どもたちは毎日死んでいる」と語った。
別の動画では、遠くで爆発音が響くなか建物の屋上に立ったナジェム君が「あなたたちの沈黙によって私たちは殺される」と訴えた。
これらの動画が本物かどうか、CNNは独自に確認できていない。
昨年12月には周囲ががれきの山と化した医療施設を訪れ、医薬品が不足している現状をリポート。最近ではツイッターで、いつものように路上で遊んでいた友人たちの1人を直後の空爆によって亡くしたことを明かした。ナジェム君自身は地下へ逃げ込んで無事だった。
当該の空爆は2月8日に実施され、支援団体によると東グータ地区ではこの日だけで80人が死亡したという。
ナジェム君はCNNの取材に対し「人々はシリアで起きていることすべてを知るべきだ」と強調。「勉強を続けたい。大きくなったら記者になりたい」と語った。