イラン大統領が米国に警告 核合意離脱なら「歴史的な過ち」
(CNN) イランと米英仏中ロ独が2015年に結んだ核合意をめぐり、トランプ米政権が離脱の意向を示している問題で、イランのロハニ大統領は6日、離脱は「歴史的な過ち」になると警告した。
ロハニ師はテレビ演説の中で、「トランプ氏がどのような決断を下そうと」、イランには対応策があると強調。「自国を防衛する兵器について、だれとも交渉するつもりはない」と述べた。
同師はまた、核合意に反対しているのは米国とイスラエル、サウジアラビアの3カ国だけだと主張した。
核合意はイランが核開発を制限する見返りとして、欧米が制裁を緩和する内容。米国では大統領が3カ月に1回、合意を改めて承認することになっている。かねてから合意に批判的だったトランプ氏は、次の期限となる今月12日に離脱を決める可能性を示唆してきた。
イスラエルのネタニヤフ首相も6日、外国メディアとの記者会見で、核合意を「うそに基づいている。基になったのはイランが国際原子力機関(IAEA)に出した架空の申告だ」と改めて批判した。
ネタニヤフ氏は先週、イランはかつて核開発をめぐりうそをついていたと主張し、その裏付けとされる大量の文書を入手したと発表していた。この発表に新たな情報は含まれていなかったとする批判に対し、同氏は会見で「そんなことを言うのは文書を見ていない人たちだけだ」と反論した。
マクロン仏大統領はメイ英首相、メルケル独首相の支持を得て、核合意の維持を強く呼び掛けてきた。英国からはジョンソン外相が今週、米首都ワシントンへ出向いて説得を試みることになっている。