ギリシャの山火事続く 死者74人に、住民は海に避難
(CNN) ギリシャの首都アテネ近郊などで発生した山火事の消火活動は困難を極め、死者は24日までに少なくとも74人に達した。
山火事の炎は、海岸沿いのリゾート地として知られるマティの村を飲み込んだ。住民らは海に逃げるしかなく、救助隊が急きょボートを送り込んだ。ロイター通信によると、海岸で696人、海上で19人が救助された。
消防当局は、マティ周辺で逃げ遅れた住民25人が遺体で見つかったことを確認した。鎮火の見通しは立っていない。
マティを含めた5カ所の火災による負傷者は、少なくとも大人164人、子ども23人に上っている。消防当局によると、風が強まって火の勢いが増しているため、逃げ遅れる人が多いという。
現場には消防士約500人に加え、軍要員ら100人以上が出動して行方不明者の捜索にあたっている。
チプラス首相は犠牲者のために3日間の服喪期間を宣言。住民らに対し、財産よりも命を守ることが先決だとして避難を呼び掛けた。政府報道官によると、これまでにマティなどから715人が避難している。
同国では2007年8月にペロポネソス半島南部で起きた火災で数十人が死亡して以来の惨事となった。
欧州一帯は高温で乾燥した気候が続き、北欧の北極圏内でも32℃を超える気温が観測されている。スウェーデンでも過去最悪の山火事が発生し、政府がイタリアなどに支援を要請している。