一夜で車80台に放火、40台破壊 スウェーデン
(CNN) 北欧スウェーデンの警察は16日までに、同国西部のイエーテボリ市で一夜のうちに車両約80台に火が付けられ、別の40台が破壊される騒乱が起きたと報告した。
同国西部管区を担当する警察の報道担当者は、この種の暴力行為が夏休み明けの学校再開直前に起きる前例はあるが、今回の被害規模などは前代未聞としている。
地元メディアによると、首都ストックホルム、近接のウプサラ市やイエーテボリに近いファルケンベリ町でもより少数の車両が燃やされたり、壊されたりした。
ロイター通信によると、ステファン・ロベーン首相は地元ラジオ局との会見で、犯行の手口に触れ、組織的でほとんど軍事作戦を思わせると指摘した。
スウェーデンでは来月、議会選挙が予定され犯罪と失業率対策が主要な争点になっている。
警察の報道担当者は、今回の放火などの大半は高失業率に襲われ通学率も低く、犯罪発生が懸念される地域で発生したと報告。警察は国内にこれら地域が23カ所あるとし、イエーテボリ内では7カ所存在するとした。
イエーテボリ南部で犯行の一部を目撃したという女性はCNNの取材に、覆面姿の8〜10人が駐車場内で車の窓を野球のバットでたたき割るなどしたと証言。非常に組織的に動き、数人が走り回って車の天井にガソリンをまき、食料品のカートのようなものに火炎びんを積みながら車の後ろの窓に投げ付けていたと振り返った。
この女性は逃げ込んでいた建物から燃え上がる車両の様子などをビデオ撮影していた。