インド南部の豪雨、死者324人に 救助隊は空から対応
(CNN) インド南部ケララ州を襲っている豪雨で、複数の当局者は17日、5月下旬に雨期が始まって以降の死者数が少なくとも324人に上ったことを明らかにした。
当局はこの日、鉄砲水や地滑りによる死者が10日間で164人に達したと先に発表していた。州救助当局トップよると、このうち半数は過去3日間で犠牲になったという。
今回の洪水被害は同州がこの100年近くで経験した中で最悪の規模。
死者数がここ1週間で徐々に増える中、救助隊は洪水で身動きが取れなくなった数千人もの人々の救助を急いでいる。陸軍や海軍、沿岸警備隊が現地に派遣されて支援に当たっているほか、要請を受けた漁業関係者も救助活動に力を貸している。
避難所を訪れたケララ州首相/AFP/Getty Images
国家災害対応部隊(NDRF)によれば、ケララ州では依然、全14県のうち13県で警戒レベルが最高に引き上げられたままだ。
インド海軍の報道官によると、最悪規模の被害を受けたアルバでは17日、妊婦(25)が自宅の屋根からヘリコプターで救助された。引き上げられた際には既に破水した状態で、2時間後に病院で出産したという。
救助活動には軍や災害当局の要員1000人以上が加わっている。NDRF幹部はCNNの取材に、10万人以上が避難所への避難を余儀なくされたと明らかにした。
交通網のまひも捜索救助活動を一層難しくさせている。線路や道路は冠水して使用できない状況で、コチの国際空港も18日まで発着できない。
インド海軍は被災地に救命ボートなどを届ける任務に当たっている/Indian Navy
こうした状況を受け、救助隊は空からの対応に乗り出している。16日にはケララ州首相がツイッターで、屋上の広いスペースで空からの助け待つよう住民に呼びかけるとともに、救命ボートや救命胴衣を上空から投下する方針を明らかにした。
NDRFによると、今年の雨期は例年より降水量が4~5割多い。州内40のダムのうち34基が満水状態で、決壊を防ぐために放水が行われた。
豪雨は19日まで続くと予想されている。