インドネシア警察、犯罪者を多数殺害か アジア大会前に
(CNN) 国際人権擁護組織「アムネスティ・インターナショナル」は18日までに、インドネシアで開催中のアジア競技大会を控えた今年1〜8月に同国警察が軽犯罪を犯した31人を殺害した疑いがあるとの報告書を公表した。
殺害は競技の主催都市で発生したとし、「不必要で過剰」な対応策と批判している。同国全土を見た場合、1〜8月の間に警察が殺害した人数は少なくとも77人と主張。昨年同期比では64%の激増とした。
アムネスティのインドネシア担当責任者は、同国当局はアジア大会開幕前の数カ月間での治安向上を約束していたとし、結果的に目撃しているのは全土における発砲などによる数十人の殺害であり、説明もほぼ皆無と批判した。
同報告書によると、殺害された多くの犯罪人は銃や鋭利な武器を持ち、オートバイを使って物品などを奪っていた。首都ジャカルタ周辺では11人、南スマトラ州では3人が今年7月3〜同12日の間に警察に射殺されたとした。これらの処置はアジア大会に備えた公共安全の確保策の一環だったとも説明した。
アジア競技大会は8月18日~9月2日に開かれる/BAY ISMOYO/AFP/Getty Images
報告書はまた、41人が脚部を撃たれ、逮捕された700人以上は刑事訴追されたと指摘。「警察は明らかに最初に発砲ありきで、その後に聴取する」方針を実行していたとも主張した。
アジア競技大会の開幕式は8月18日で、9月2日まで続く。