ISIS最高指導者の音声か、「聖戦」の続行を呼びかけ
(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」のメディア部門が22日、アブバクル・バグダディ最高指導者の音声とするメッセージをほぼ1年ぶりに公開した。ISISが支配地域の多くを失ったことを認めた上で、これはアラーの神に与えられた試練だと主張、メンバーに対して結束を呼びかけている。
バグダディ容疑者とされる男はメッセージの中で、ISISメンバーは「恐怖と飢え」という試練に直面しているとしながらも、「辛抱強く耐え抜いた」者には「吉報」が届くと語りかけた。
CNNでは、この音声が本当にバグダディ容疑者の肉声かどうかは確認できていない。
もし本物だとすると、ISISが「首都」と称してきたシリアのラッカが昨年10月に陥落して以来、バグダディ容疑者のメッセージが公開されるのは初めて。シリア国内のISIS拠点は縮小を続けている。
メッセージではISISの失地にも言及し、「ムジャヒディンの信者にとっては、奪われたり、空中で優位に立つ者や大陸間ミサイルあるいはスマート爆弾の標的にされたりした市や街の数によって、あるいは後に続く者の数によって、勝敗の程度を測ることはできない」と強調。「その程度は、信奉者がどれほどの信仰心をもっているかによる」と主張した。
音声は約55分にわたって続く。
米国とトルコの対立や、ロシアやイランに対する制裁、北朝鮮事情といった最近の国際情勢にも言及し、米国が「ギャング政策」を使っているのは「弱さの表れ」だと語っている。
シリアのイドリブ県については、ロシアとシリアの軍が「裏切り者の助けを借りて」急襲しようとしていると述べた。「裏切り者」は一部のシリア反体制派を指している。