ミャンマー軍幹部、ジェノサイドの罪で訴追を 国連調査団が要求
(CNN) ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャに対する人権侵害が指摘されている問題で、国連の独立調査団は27日、ジェノサイド(大量虐殺)や人道に対する罪、戦争犯罪の容疑でミャンマー軍幹部に対する捜査と訴追を求めると発表した。
調査団の報告書では、ミャンマー軍がテロ掃討を装って、ロヒンギャに対する殺人や投獄、性的暴行を行ったと非難。軍幹部には免責が認められ、実質的に超法規的存在になっていると指摘した。
その上で、「無差別殺人や集団強姦、子どもに対する暴力、村全体を焼き払うといった行為を、軍事的必要性によって正当化することはできない」と強調している。
調査団は、この問題をオランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に付託するか、特別国際法廷を設置して捜査に当たることを提言した。事件に関与した軍の幹部として、ミン・アウン・フライン国軍最高司令官を含む6人を名指ししている。
スイス・ジュネーブで27日に記者会見した調査団のラディカ・クマラスワミ氏は、不法行為を裏付ける「圧倒的な証拠」が見つかったと説明。報告書で名指しした6人のほかにも、関与した疑いのある人物の氏名を「封筒に入れて」ザイド・フセイン国連人権高等弁務官に提出するとした。
調査団はさらに、ミャンマーの民政も「行動と不作為」を通じて残虐な犯罪に加担したと認定し、「アウンサンスーチー国家顧問は事実上の政府指導者としての立場も道徳的権限も行使せず、ラカイン州で起きた事態を阻止しなかった」と指摘。ミャンマーが国家として軍の責任を問うことは期待できないと述べ、国際社会の関与の重要性を強調した。
ミャンマーの問題をICCに付託するという国連の提案については、アムネスティ・インターナショナルなど多数の人道支援団体が支持を表明している。