「非核化交渉は決裂の恐れ」 北朝鮮、米国務長官に通告の書簡
(CNN) 北朝鮮の高官が米国務省のポンペオ長官に宛てた書簡の中で、非核化に向けた交渉について、「再び危機にさらされ、決裂の可能性がある」と警告したことがわかった。この問題に詳しい複数の関係者がCNNに明らかにした。
ポンペオ長官は4回目の訪朝を予定していたが、24日の出発直前になって急きょ、訪問を取りやめていた。
書簡は北朝鮮の情報機関トップだった金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長から、ポンペオ長官宛てに届けられた。
非核化に関する北朝鮮の立場に詳しい3人の関係者によると、この中で北朝鮮側は「平和条約締結に向けた前進という点において、米国はまだ(北朝鮮の)期待に応える用意ができていない」と述べ、それを理由に、非核化に向けたプロセスを進展させることはできないと記していた。
米国はこれまでのところ、朝鮮戦争を終息させた休戦協定に代わる平和条約の締結に応じる意向を示していない。平和条約を締結するためには米上院の3分の2の承認を必要とする。
もしも妥協が成立せず、始まったばかりの交渉が決裂すれば、北朝鮮が「核およびミサイル活動」を再開する可能性もあると関係者は指摘する。
今回の書簡について最初に報じたワシントンポスト紙は、これを見せられたトランプ大統領が、ポンペオ長官に24日の訪朝を中止するよう指示したと伝えていた。