イエメン、子ども500万人が飢餓の危機に 国際NGOが警告
(CNN) 国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」は19日までに、中東イエメンで子ども500万人が飢餓状態に陥る恐れがあるとの警告を発した。
イエメンでは親米暫定政権を支持するサウジアラビア主導の有志連合が、反政府武装組織「フーシ」への攻勢を強めている。18日には、西部ホデイダの港をフーシから奪還するための作戦が始まった。
だがセーブ・ザ・チルドレンによると、ホデイダの港は国民の8割にとって、物資を手に入れるのに不可欠な「命綱」となっている。港が損壊したり、一時的に閉鎖されたりすれば食料や燃料が値上がりし、さらに推定100万人の子どもが飢餓の危機に直面することになるという。
セーブ・ザ・チルドレンのイエメン担当責任者は、「港を通した食料や燃料、支援物資の供給が少しでも滞れば、栄養不良に苦しむ何万人もの子どもたちは、生命を維持するのに必要な食料を得られなくなる」と強調。「燃料費が上がって、病気の子どもを病院へ連れて行くことさえできなくなる」と指摘する。
イエメンでは通貨リヤルが暴落し、食料価格はここ数日だけで2倍に跳ね上がった。市場に食べ物が並んでも、高すぎて買えない住民が増えている。ガソリンや調理用ガスも、ここ数カ月で25%値上がりした。
国連は、ホデイダが攻撃を受ければ最悪の場合、25万人が死亡するとの推計を出している。
イエメンの人道危機は食料不足にとどまらない。世界保健機関(WHO)は、首都サヌアやホデイダにコレラ流行の兆しがあると警告している。