豚コレラ感染止まらず、アジアや欧州で拡大 当局が強い懸念
(CNN) 2014年から国境を越えて感染が拡大しているアフリカ豚コレラが、アジアや東欧に続いて西欧に到達し、各国の衛生当局が警戒を強めている。
国際獣疫事務局(OIE)によると、ベルギーでは9月25日の時点で、豚コレラの症例8例が確認された。
中国では8月3日以来、29カ所で流行が発生し、約4万頭が殺処分されている。直近では内モンゴルのフフホトにある食肉処理場で症例が報告された。
ベルギー当局によると、同国ではエタル地方産の豚4000頭を処分して、豚肉の加工場や卸売業者を閉鎖。日本や韓国など13カ国・地域はベルギーからの豚肉輸入禁止などの措置を講じている。
OIEに報告された豚や野生のイノシシの感染は世界で36万1000頭を超え、2018年だけで11万9000頭が死んだ。
豚コレラに感染した豚は、皮膚や内蔵に出血による紫斑ができ、感染から10日以内に確実に死に至る。流行による経済的損失は甚大で、ウイルスが検出された養豚場では全頭を処分しなければならない。
東欧では、特に被害が大きいルーマニアで1月に初の症例が報告されて以来、900回の流行が発生。東欧諸国やロシアでは、2014年以来、35万5000以上の症例が報告されている。
アフリカ豚コレラはイノシシやイボイノシシ、豚のみに感染する疾患で、1921年にケニアで最初に発見されて以来、サハラ砂漠以南の地域や西アフリカで流行を繰り返していた。人にとっての健康リスクはないという見方で専門家の見解は一致している。