トルコ大統領、サウジ記者は「残忍な計画的殺人」
イスタンブール(CNN) トルコのエルドアン大統領は23日、最大都市イスタンブールのサウジアラビア総領事館でサウジ人記者ジャマル・カショギ氏が死亡した事件について国会で演説し、「残忍な計画的殺人」だったと主張した。
トルコ当局が事件について公式の見解を示したのは初めて。サウジ政府はカショギ氏が今月2日、領事館内でのけんかで偶発的に死亡したと説明しているが、エルドアン氏はこれを明確に退けた。
そのうえで、サウジ政府に中立的な捜査ができるかどうかは疑問だと言明。サウジが拘束している容疑者18人をイスタンブールで裁判にかけるべきだとして、身柄の引き渡しを求めた。
エルドアン氏は新たな事実として、カショギ氏が死亡した前日、総領事館の職員がイスタンブール郊外の林や、同市の南約90キロに位置する港町ヤロワへ下見に行っていたと述べた。下見の目的には言及しなかったが、カショギ氏の遺体はまだ見つかっていないと指摘した。
エルドアン氏はさらに、カショギ氏が2日、結婚手続きのため約束の時刻に総領事館を訪れる数時間前から、館内の防犯カメラが切られていたとも語り、「偶発的ではなく計画的な殺害だったことを示す十分な証拠がある」と強調した。
サウジ側は事件について、一部の情報、治安要員が勝手に動いたとの立場を示し、ムハンマド皇太子の関与を否定している。エルドアン氏は演説で皇太子を名指しこそしなかったものの、犯行を「命令した者から実行した者まで、全員が追及されなければ」世界は納得しないと断じた。