マクロン氏、ナショナリズムを批判 トランプ氏出席の式典で
パリ(CNN) マクロン仏大統領は11日、第1次世界大戦終結から100年を記念するパリでの式典で、自国の利益を優先するナショナリズムへの流れを批判した。式典には「米国第一」主義を掲げるトランプ米大統領をはじめ、各国首脳らが出席した。
マクロン氏はこれまでも、世界的なナショナリズム再燃に繰り返し警告を発してきた。この日の式典では「愛国心はナショナリズムの対極にある」「ナショナリズムは愛国心への裏切りだ。自分たちの利益が第一、他国はどうでもいいと言い放つことは、国家が大切にしているもの、国家に命を与えるもの、国家を偉大にする本質的なものを消し去ることになる。それは国家の倫理的価値観だ」と述べた。
さらに「昔の悪霊がよみがえり、混乱と死を招こうとしている」「歴史は不吉な道を再びたどろうとすることがある」と警告した。
マクロン氏がこの演説に、自ら「ナショナリスト」を名乗るトランプ氏への批判を込めたことは明らかだった。
トランプ氏はその後、パリにある戦没米兵の墓地を訪問した。演説ではマクロン氏に反論せず、戦没者をたたえる言葉を簡潔に述べた。
同氏は10日、マクロン氏と形式的な首脳会談を済ませた後、雨を理由に戦没米兵墓地への訪問を中止して批判を浴びていた。
11日の式典ではマクロン氏とメルケル独首相、トルドー・カナダ首相らがそろって会場へ向かったのに対し、トランプ氏とロシアのプーチン大統領はそれぞれ単独で移動していた。