エボラ拡大食い止められず、衝突で対策活動中断 コンゴ
(CNN) エボラ出血熱が流行しているアフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)で、衝突の激化により医療チームの活動が妨げられ、死者が増え続けている。
同国保健省によると、今回の流行が8月に始まって以来、感染が確認された患者は311人、感染の疑いのある患者は47人に上り、死者は213人に達した。
しかし最悪級の被害が出ていながら、武装勢力同士の衝突や政府軍との衝突の影響で、対策チームのアクセスが難しい地域もある。
16日夕には流行の震源地となっている北キブ州のベニで、武装集団が国連平和維持活動(PKO)部隊を襲撃しようとする事件が起きた。
衝突はエボラ緊急対策センターと、対策に当たる医療従事者が滞在しているホテルの近くで発生。PKO部隊は数時間に及んだ衝突の末に武装集団を撤退させたが、この衝突のため、ベニでの対策活動は17日に全て中止された。緊急対策センターは閉鎖され、対策チームはホテルから外出できない状態が続いている。
その数日前には武装集団への軍事作戦でPKO部隊の隊員少なくとも7人が死亡、10人が負傷していた。
国連は、ベニ地域の平和と安定を取り戻すため、PKO部隊とコンゴ軍が反政府武装組織「民主同盟軍(ADF)」の掃討作戦を実施していると発表した。
今年に入って2度目となるエボラ流行は北キブ州で発生し、東部のイトゥリ州に広がった。コンゴでエボラが流行するのは1976年以来、10度目。
世界保健機関(WHO)によると、死者の中には妊婦や乳児が含まれるほか、医療従事者30人以上も感染している。