欧州に根強い反ユダヤ主義、新たな広がりも CNN調査
ドイツでは難民の大量流入に反発して極右勢力が台頭し、難民だけでなくユダヤ人の排斥も堂々と主張するようになったという背景がある。
首都ベルリンで取材した右翼団体の集会には、刑法で禁止されたナチス式の敬礼をしてみせる男性や、ユダヤ人の秘密結社が世界を支配しているとの説を唱える参加者がいた。
ユダヤ人の間では、欧州で増え続けるイスラム系移民や、パレスチナ紛争をめぐりイスラエルに強い反感を持つ左翼からの反ユダヤ感情を恐れる声も強かった。
全体として、反ユダヤ主義が顕在化してきた背景にはいくつもの要因が複雑に絡み合い、特効薬となる解決策はないことがうかがえる。
反ユダヤ主義を抑えるために、ホロコーストを記憶にとどめる教育が有効だという意見は全体の半数を占めた。だが一方で、ホロコーストの知識が全く、またはほとんどないと答えた人が3分の1を超えている。フランスでは若年層の20%が、ホロコーストを「聞いたこともない」と答えた。
シュードリッヒ氏にこの統計への感想を尋ねると、一瞬の沈黙に続き、「私にはまだやるべき仕事があるという気持ちにさせられる」との答えが返ってきた。